提示
当院での手術の特徴 脳の様々な場所に腫瘍は発生し、症状・訴えが患者ひとりひとり違うこと等を考慮し、この手術において治療経験豊富な当院では、最適な治療選択とアプローチ、治療計画を提示し、本人・家族と相談しながら治療・手術方法を決定させていただきます。 当院における神経膠腫(グリオーマ)手術の柱は、大きく2つあります。 ①機能温存を目的とした安全な手術 、 ②治療効果を最大限引き出すための可能な限りの病変の摘出 です。すなわち、 「安全な範囲で出来るだけ多く摘出する」 ということです。 [plaza.umin.ac.jp]
代表的な症例について提示します。 1.2.1 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術 脳動脈瘤が破裂して出血すると”くも膜下出血”をきたし、突然の激しい頭痛や吐気、意識障害などの症状を呈します。破裂していない動脈瘤を”未破裂動脈瘤”、破裂した動脈瘤を”破裂動脈瘤”といいます。特に破裂動脈瘤では再出血により病状の更なる悪化をきたすため、緊急手術を行う必要があります。コイル塞栓術は、カテーテルを通じて動脈瘤の中にプラチナコイルを詰め込み、血液が入らないようすることで出血を防ぎます。 [nmc.kcho.jp]
精密検査
一過性脳虚血発作と診断され、その後の精密検査で発作の原因が頚動脈狭窄症と判明したので、ステント留置術を行いました。ステント留置後には上記のような発作は繰り返さないようになりました (左) 治療前:内頚動脈がとても細くなっています。 (中) 治療後:内頚動脈が太くなり、血流が良くなりました。 (右) 治療後:留置されたステントが確認されます。 1.2.3 脳動脈閉塞症に対する血栓除去術 発症から4.5時間以内の急性期脳梗塞では第一に血栓溶解療法(点滴治療)を行います。 [nmc.kcho.jp]
治療
特に急性期破裂脳動脈瘤の治療には力をいれており、年間約50例の破裂脳動脈瘤の治療件数があります。 tPA投与患者数の年次推移 脳血管内治療(カテーテル治療)による脳血栓回収術のイメージ *画像提供:Stryker社 (4)その他の脳血管障害 脳動静脈奇形(AVM) 開頭摘出術、血管内治療、放射線治療(サイバーナイフ)を適切に組み合わせ、治療効果を高めつつ合併症を低く押さえる「集学的治療法」の考え方で、患者さんの病態に最も適した治療を行っています。 [med.jrc.or.jp]
病変の大きさや治療時間を考え使い分けています。治療は通常の放射線治療と異なり、1回の治療で終了する場合が多くなります。 1回で治療する場合を定位放射線治療(Stereotactic Radiosurgery:SRS)と言います。また、腫瘍の種類によっては何回かに分けて定位放射線治療を行う場合もあります。それを分割で行う定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy:SRT)と言います。腫瘍の種類や脳神経の近くに腫瘍がある場合に行います。 [kanazawa-med.ac.jp]
図1 典型的な中枢神経原発性悪性リンパ腫のMRI画像所見 古くは放射線治療のみで治療が行われてきましたが、放射線治療のみでは再発率が高く十分な結果が得られませんでした。近年は放射線治療と化学療法の併用治療が有用であることが証明され、DeVIC治療(ステロイド, イフォスファミド, カルボプラチン, エトポシドの併用療法)等を経て、現在は高用量のメトトレキセート(MTX)を組み合わせた治療(HD-MTX治療)が標準治療となっています。 [med-nagoya-neurosurgery.jp]
予防
脳梗塞の内科的再発予防治療 脳梗塞の病型により使用する薬剤も異なりますが、ラクナ梗塞およびアテローム血栓性脳梗塞の再発予防に抗血小板剤の投与、心原性脳塞栓症の再発予防には抗凝固剤の投与を行っております。また、脳梗塞のリスクである睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断、治療を行っております。 脳梗塞の外科的治療 急性期の脳梗塞の外科的治療は前述しました「脳血管内治療」による血栓回収術、血栓吸引術が主に該当します。 [med.jrc.or.jp]
6.予防と検診 1)予防 日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。 2)検診 がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。 しかし、脳腫瘍(神経膠腫)については、現在、指針として定められている検診はありません。 [ganjoho.jp]
以前は、手術の摘出度と随伴する神経症状の予防は、執刀医の経験と勘に依存するところが大でした。 当施設では、グリオーマ手術での随伴する神経症状の予防のために、覚醒下手術(手術中に患者を覚醒させて、 神経症状の出現の有無を確認する)や電気生理マッピング(脳表を刺激して運動量野やその詳細な局在を確認する)を導入しています。 また、摘出度を高めるために、最新型のナビゲーションシステムや超音波装置を導入しています。 これらにより安全で確実性の高い手術を行っています。 [tokushima-nougeka.com]
放射線治療 下垂体腫瘍に対して放射線治療の再発予防効果は認められていますが、ホルモン分泌障害を 来しやすいため、再発時に行うか又は定位放射線治療(ガンマナイフなど)を行う場合があります。 転移性脳腫瘍の治療 脳転移はこれまで極めて予後の悪い状態とされています。これまで患者さんの状態や手術可能な部位、単発転移などの場合に手術的治療を行っています。 [fujioka-hosp.or.jp]
頸動脈狭窄症は、脳梗塞の原因の約10%を占めていますが、手術により脳梗塞を予防できることが1990年代より大規模臨床試験により証明されています。以下にその結果を簡単に説明します。 Figure1:頸動脈狭窄症の血管撮影像と術中所見 (1-1)症候性内頚動脈狭窄症(症状のある70%以上の高度狭窄の場合) 2年間の観察 ※ 表の内容が全て表示されていない場合は、横にスライドしてください。 [nmc.kcho.jp]