提示
皮膚
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紅斑
表1 熱傷深度 皮膚所見 色調 知覚 Ⅰ度(EB) 乾燥 紅斑 痛み( ) 知覚過敏 浅達性Ⅱ度(SDB) 湿潤、水疱( ) 薄赤 強い痛み 知覚あり 深達性Ⅱ度(DDB) 湿潤、水疱( ) やや白色 痛み軽度 知覚鈍麻 Ⅲ度(DB) 乾燥 硬化 炭化 蠟色 黄色 赤茶色 黒色 無痛 EB :epidermal burn SDB:superficial dermal burn DDB:deep dermal burn DB :deep burn 図2 Ⅰ熱傷深度 図3 Ⅰ度熱傷熱(EB)熱湯で受傷 [jsswc.or.jp]
治療
当院では局所の熱傷はもちろんのこと、生命の存続に関わる重症熱傷の治療も積極的に行っています。 一般的にいわれる重症熱傷とは、次のようなものが挙げられます。 深く、広い範囲の熱傷 顔面、手、足における深い熱傷 気道熱傷 骨折など他のケガを合併した熱傷 電撃傷 化学熱傷 などが含まれます。これらは、熱傷治療専門施設での入院・手術治療が必要であり、当院でもこのような重症熱傷に対する治療を行っています。 重症熱傷の治療は大きく3段階に分けて考えることができます。 [tkgh.jp]
治療レベルの対応から考えてみましょう。 対応の仕方 分類 深度と面積(特殊部位の有無) 救急センターでの集中治療 重症 II度30%以上、またはIII度10%以上 特殊部位(顔・手・会陰など)の熱傷 気道熱傷、化学損傷、電撃症など 一般病院での入院治療 中等症 II度15 30%、またはIII度2% 10% (顔・手・会陰を含まない) 初期は外来で治療可能 軽症 II度15%未満、またはIII度2%未満 表のうち重症と中等症は入院治療レベルです。 [jsbi-burn.org]
予防
予防 図13 小児の皮膚は大人に比べて薄いため、深いやけどになり易い傾向があります。そのため小児においては特にやけどの予防が大切になります。小児におけるやけどの受傷状況は特有のパターンがあるので、それを考慮にいれれば不要なやけどを未然に防ぐことが可能です( 図13 )。 熱湯や汁物などの高温の液体を小児の近く(手の届く範囲)に放置しない。 テーブルクロスなどを使用しない(歩き始めの子供が引っ張る)。 炊飯器やポットの蒸気の吹き出し口は子どもが好奇心を示すので注意する。 [jsprs.or.jp]
感染予防 ゲーベンクリーム、抗生剤軟膏(ゲンタ シン軟膏など)、ポピドンヨードゲル 創傷治癒促進 ワセリン軟膏、ステロイド(リンデ ロンVG軟膏、ケナコルトAG軟膏、 テラ・コートリ ル軟膏、フルコートFなど)、フィブラストスプレー、 エキザルベ、創傷被覆材 壊死組織除去 ブロメライン軟膏、ソルコセリル軟膏 4. [nho-kumamoto.jp]
創面を保護し、感染を予防します。 創面をできるだけ清潔なガーゼ、タオル、シーツなどでおおいます。 創面をこすったり、水ぶくれを破らないように注意します。 創面には、なにも塗らないでください。(薬、アロエ・油なども) きれいな布やシーツでくるみましょう。 医師の診察を受けてください。 III度及びII度の広範囲の熱傷の時は、冷やすことより早く診察を受けるようにしてください。 注)気道熱傷の判断と注意点 〈気道熱傷とは〉 高熱及び有毒ガスを吸入する事による傷害。 [ken-o.or.jp]