□ 肺塞栓症は循環器領域における予後不良な重大な疾患の一つですが、必ずしも診断は容易ではありません。呼吸困難や胸痛は肺塞栓症に高頻度に認められる症状とされていますが、呼吸困難や胸痛を主訴にする疾患は他にも鑑別すべき疾患が多く、むしろその中で肺塞栓症の占める頻度は少数派です。また、その症状経過も多彩で、徐々に経過する呼吸困難、ショックや心停止を合併することもあり、慢性経過をたどるものもあります。 □ では、このような神出鬼没な疾患をどのような場面で気づくことが多いでしょうか?これには、肺塞栓症を疑う2つの重要な鍵が存在します。 □ 1つ目は、 深部静脈血栓症(DVT : Deep Vein[…]
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