(IASR Vol. 38 p.84-85: 2017年 4月号 ) 腸チフスは, Salmonella Typhiによって起こる全身性感染症であり, ここ数年は日本国内で年に40~60例の届出がされている。インドへの渡航後, 1カ月以上にわたって発熱, 下痢の症状を認めたが, 便からは病原体が検出されず, 乳房膿瘍の膿汁から病原体が検出され, 腸チフスと診断された非常に稀な症例を経験したので報告する。 症例:28歳女性 飲食業 既往歴に気管支喘息, その他特記すべきことはなし。2016(平成28)年8月中旬から20日間一人でインドへ旅行した(今回で5回目)。旅行14日目から39℃台の発熱と下痢があり,[…]
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