日本国内での地域差を検討すると,食道癌において鹿児島での頻度24.1%(7/29例)が最も高く,統計学的に有意であった(P=0.01).肺扁平上皮癌,肺腺癌には地域差はみられなかった.沖縄での肺扁平上皮癌でのHPV陽性率は急速に低下していると言われ,今回の結果もそれを裏付けるものであった.
[kaken.nii.ac.jp]
HPV高危険度群亜型のHPV16/18型感染が,肺扁平上皮癌,肺腺癌,食道癌の陽性例で各々75%,78%,81%であり,いずれの癌においても一定の症例においてHPVが癌発生の初期に関係しているものと推定された.
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陽性率を日本,台湾,韓国を比較すると,肺扁平上皮癌では8.1,8.6,5.6,0%であった.肺腺癌では,5.0,7.1,13.3,0%であった.食道癌でも,日本,台湾,韓国の陽性率は,10.5,8.0,6.4%であった.各国における頻度に有意差はみられなかった.
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